インテリア設計士資格
インテリア設計士は、経済産業大臣の許可を得た社団法人日本室内装備設計技術協会が認定する資格です。
この資格には2級と1級があり、インテリア空間ならびにインテリアに関する設計・施工などに関して、高度な知識・技術・技能が求められる資格となっています。受験資格が設定されており大学・専門学校に在学中か卒業、または実務経験が必須です。
インテリア設計士は、新築住宅、戸建住宅や集合住宅のリノベーション、オフィスビル、商環境、モデルハウスなどにおいてインテリアの設計などを行い、より快適で安全、魅力的なインテリア空間の提供を行うのが主な業務です。
試験はどんな内容?
住宅建築の設計知識と
製図の技術が問われます
2級試験の内容
[学科試験]:出題内容
1.計画
デザイン論・ デザイン史・デザイン基礎
インテリア計画・室内環境
2.技術
インテリア材料・構造:建築、インテリア
家具、造作ほか
3.法規法令
インテリア・ 建築 関連法規・法令
[実技試験]:出題内容
1.企画計画(企画・計画)
生活住空間デザインの計画案
コンセプト、仕様書の作成
2 .表現技術(設計・製図 )
3 .室内設計図
平面図・天井伏図・パースグリッドに
よる透視図・造り付け家具の断面図・
椅子のスケッチなど
1級試験の内容
[学科試験]:出題内容
1.計画
論文(インテリア全般)
2.技術
インテリア全般からの課題に対する論文
[実技試験]:出題内容
1 .企画計画(企画・計画)
2 .生活住空間としての企画計画
コンセプト・仕様書の作成
3 .表現技術(設計・製図 )
4 .室内設計図
平面図・展開図・天井伏図・
透視図・詳細図
学科試験は、1級、2級共に大きく分けて計画、技術、法規法令の3つに分類されており、インテリア設計に関する知識、建築の知識・技術が求められます。
実技試験では、企画計画と表現技術が身に付いているかが評価されますが、内容に沿ったデザインがされているかが重要な採点ポイントとなっています。
インテリア設計士試験の概要
【試験日程】 7月の土曜・日曜の2日間
【試験科目】 学科試験
実技試験
【受験資格】 級により異なる
【試験会場】 支部 所在都市
※会場は支部協会が決定・
申請受理後に通知
難易度は どのくらい?
経験者の受験が多く
合格率は高い
合格率は2級で80%程度、1級で50%と、比較的高めです。
受験資格が大学の建築学科や専門学校に在学中か卒業、または実務経験が求められるため、受験者のほとんどを経験者が占めることが、その大きな要因といえるでしょう。
インテリア設計の経験者の場合、2級はそれほど難しい試験ではありません。
科目合格制度がありますので他のインテリア関係の資格に比べて取りやすい資格といえます。
どうやって勉強するの?
◎学科試験は記述式問題対策が
重要です
◎実技試験では企画・計画力と
表現技術が問われます
①学科試験は記述式問題がカギ
学習期間の目安は2級で3か月程度、1級の場合は、4~5か月程度の受験勉強が必要になるでしょう。
学科試験は、選択式問題は5択や3択が主で、文章問題の穴埋めなどや、イラストを見て解く問題も出題されます。学科試験で比較的難しいのは、記述式の問題です。用語の意味や、最近注目されている用語なども出題されますので、インテリア関係の用語はある程度理解しておく必要があります。
出題は、ほとんどが公式テキストから出題されますが、分野も範囲も広いので、特に記述式の問題対策をしておく必要はあります。また、学科試験では図形を作図する問題も出題されます。
このように、学科試験での出題方式はさまざまですが、内容はほとんどテキストに載っていると考えてよいでしょう。
②設計製図試験では実務を兼ねて取得しよう
実技試験の課題は、試験の1ヶ月前に発表されますので、その後試験までの1ヶ月間で、コンセプトから考えます。
実技試験では、企画計画力と表現技術が身に付いているかが評価されます。
製図試験は、毎日製図に携わっていなければ独学はまず難しいでしょう。インテリア設計士の製図試験だけに特定した通信学校はほとんどありませんので、製図の試験対策が必要な場合は、インテリアプランナーや建築士などの共通した資格の通信講座を受講するのもおススメです。
試験問題も協会が発行している「試験問題集」や、「インテリア設計士テキスト(実技編)」、「インテリア設計士テキスト(学科編)」、この3冊から半分近くが出題される傾向がありますので、これらの教材を購入し、勉強しておけば、合格はさらに近づくと思います。
他の資格との違いは?
インテリアエレメントの
計画設計に特化しています
インテリア関係にはいくつかの資格がありますが、インテリア設計士は、インテリア空間ならびにインテリアエレメントの計画、設計、施工(製造)監理などに関して高度な知識や技術を認定するための資格です。
インテリアコーディネーターの場合は、インテリアの設計はしませんが、インテリア設計士が携わらないインテリアのコーディネートなどの専門資格です。
また、インテリアのデザインの基礎知識を勉強するにはインテリア設計士ですが、さらに高度な技術が必要なのが、インテリアプランナーとなっています。