インテリアプランナーは公益社団法人建築技術教育普及センターが主催している資格試験の名称です。
インテリアプランナーはクライアントと話し合った上でイメージコンセプトを作成し、各部屋の内装、家具や什器、設備などに関してのデザインや設計、メーカーへの発注、監理、検査のマネジメントまでをトータルに行う空間デザインのプロフェッショナルです。
資格を取得後は、建築設計事務所、インテリアデザイン事務所、住宅メーカーなどに就職するのが一般的です。
受験資格に制限はありませんが、合格後にインテリアプランナー登録を受けるには、所定の実務経験が必要となります。
試験は実技と学科の2科目で行われます。
試験はどんな内容?
試験では一般業務レベルの
建築・インテリアの知識が必要です
1次試験の内容
[学科試験]
出題内容:
1.インテリア計画
2.インテリア装備
3.インテリア施工
4.インテリア法規
5.建築一般
2次試験の内容
[設計製図試験]
出題内容:
建築物における空間の使われ方、生活の
イメージが判るようなインテリア設計
要求図書:
設計主旨、平面図、断面図展開図、天井伏図、
透視図、一部詳細図仕上表、家具表等のうち
指定されるもの
1次の学科試験に関しては、インテリアや建築に関する知識が求められ、一般業務レベルの能力が必要とされます。
建築技術教育普及センターから出版されている「インテリアプランナーガイドブック」をはじめとした過去問題集を繰り返し解くことが大切になります。
2次の製図試験では、正確な作図能力が求められます。まずは図面の書き方をテキストで学び、その答えだけを見て、適正な線の数を把握します。解答例を見ながら模写していくことが必要です。
インテリアプランナー試験の概要
【試験日程】
1次試験:6月中旬頃
2次試験:11月中旬頃
【試験科目】
1次試験:学科
2次試験:設計製図
【受験資格】
年齢・性別・学歴・職業・経験は不問
【試験会場】
北海道・宮城県・東京都・愛知県
京都府・大阪府・広島県・福岡県
難易度は どのくらい?
最大の難関は
2次の設計製図試験
合格率は年度により変動がありますが、学科試験が59~69%、製図試験が20~30%と発表されています。
合格までの平均勉強時間は200~300時間と言われています。
1次の学科試験は、問題の難易度はそれほど高くありません。
しかし出題範囲が広く、類似問題が出題されやすい傾向にありますので、広く浅く勉強する工夫が必要です。
2次の設計製図試験は難関です。
難易度が高いと感じられる理由は、実務的な要素が強く反映される課題になっているためです。
従って、合格者の多くは学校で専門知識を学んでその後就職をして、実務経験を積んだ人が多いのが現状です。
逆に全く初めての方がチャレンジする場合はかなり難しい試験だといえます。設計趣旨やインテリアデザインを求められることも多く、実務的な要素が強く反映される課題になっていることため、無難な設計では合格は難しいでしょう。
どうやって勉強するの?
◎1次の学科は独学
◎2次試験はスクール利用が
おすすめ!
◎1次試験は独学で突破しよう
1次の学科試験は過去問題を入手して何度も繰り返し解き、学習を進めれば経験のない方でも合格できる可能性はあります。
色彩に関する問題では、色彩の問題や家具デザイナーの名前と作品が出題されます。施工の問題では、建築施工に関する一般的な問題が出題されています。法規に関する問題では、建築士試験のように法令集を持ち込むことができます。
◎未経験者の2次試験はスクールの利用が効果的
未経験者の場合は、予備校や通信講座などを活用することをおすすめします。
試験内容は各種図面(平面図・断面図・展開図・詳細図・家具表・・・など)を描き上げる事が求められます。これは実務や勉強の経験が有る方でも大変で、図面の精度や美しさも求められるため、ただ描ければ合格ではない所もポイントです。
逆に建築・インテリア業界の基礎知識がある人や有資格者、実務経験者は対策次第で十分突破は可能だといえるでしょう。
インテリアコーディネーターとの違いは?
建築的な専門性が高い
インテリアプランナー
インテリアプランナーはインテリアコーディネーター混同されやすい資格ですが、実際は大きく異なります。
インテリアコーディネーターは、家具やカーテンなどのインテリアを総合的にプロデュースし、理想の住まいを実現することを目的としています。
これに対して、インテリアプランナーは建築や製図、工事監理など、仕事に専門的な知識が求められます。
試験に合格しても、資格所有者として登録するには学歴や実務年数などの条件をクリアしなければなりません。そのため、合格者の多くは専門知識を学んだ後、実務経験を積んだ人が多いのが特徴です。